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ジンジャー・ベイカー(Ginger Baker)

「ロック界最初のスーパースタードラマー」と称されるGinger Baker(ジンジャー・ベイカー、本名Peter Edward “Ginger” Baker)はロックバンド「Cream(クリーム)」や「Blind Faith(ブラインド・フェイス)」の創始者でありドラマーです。一般的にはロックドラマーとして認識されているジンジャーですが、元々はジャズを習得しており、ブルース、ジャズそしてロックを融合させたスタイルでした。アフリカに傾倒してからは民族音楽を取り入れ、彼独自のスタイルを確立したようです。

また性格の気難しさでも有名で、それは2012年に公開された伝記映画「Beware Of Mr.Baker(Mrベイカーに気を付けろ)」でしっかりとその偏屈ぶりを堪能できます。しかし単なる嫌味で意地悪な人なら、世界中からの人気や尊敬は集められないでしょう。日本で開催されたドラムクリニックでは、とてもわかりやすく丁寧な説明で、大変好評だったとのエピソードもあります。あと「ジンジャー」はあだ名で、彼が赤毛であることに由来しています。イギリスでは赤毛の人たちのことを「ジンジャー」と呼ぶ人たちがいるようで、ジンジャーはそれをそのまま芸名にしてしまったようです。


Cream – Crossroads (2005) Live At Royal Albert Hall

バイオグラフィー

1939年8月19日生 イギリス・ロンドン南部のルイシャム区
エネルギーのはけ口として15才ころからドラムを叩き始めたジンジャーですが、ドラムを習い始めたのは1960年代初め。先生はジャズドラマーのPhil Seamen(フィル・シーメン)と言われていますが、ジンジャー自身は「フィルと一緒に練習した」と語っています。62年頃に在籍したBlues Incorporated(ブルース・インコーポレーテッド)で、のちにクリームのメンバーとなるベーシストのJack Bruce(ジャック・ブルース)と出会います。66年にギタリストのEric Clapton(エリック・クラプトン)を加えクリームを結成。バンドは大成功。他のミュージシャンに多大な影響を与え、ハードロックの礎を築きます。しかしジャック・ブルースとの対立が原因で68年にクリームは解散。69年にはブラインド・フェイスを結成しますが、その年のうちに解散。そして解散直後に「Ginger Baker’s Air Force(ジンジャー・ベイカーズ・エアフォース)」を結成し、70年に2枚のアルバムをリリースしました。

その後、 Fela Kuti(フェラ・クティ)、Bill Laswell(ビル・ラズウェル)、Gary Moore(ゲイリー・ムーア)らをはじめ、さまざまなミュージシャンとのセッションを重ねます。1993年と2005年にクリームは再結成ライブを敢行しますが、2014年のジャック・ブルースの死去により次の再結成はなくなりました。2016年ジンジャーは心臓手術を受け、現在療養中です。

クリームにおけるジンジャー・ベイカー

クリームの誕生は66年頃、ジンジャーがエリック・クラプトンに新しいバンドをやらないかと誘ったことが始まりです。その時クラプトンの出した要求は「ベースがジャック・ブルース」であることでした。それを車の運転中に聞いたジンジャーは、驚きのあまり事故を起こしそうになったとか。それもそのはず、ジンジャーとジャック・ブルースは「超」がつくほど仲が悪かったからです。こんなエピソードがあります。二人がクリームを結成する前に組んでいた「Graham Bond Organization(グラハム・ボンド・オーガニゼーション)」の頃の話。ある時、兼ねてから仲の悪かったジャック・ブルースをジンジャーがクビにしました。しかしジャック・ブルースはクビにされたのにもかかわらず、毎回のようにバンドのライブに通ってきます。それに腹を立てたジンジャーはジャック・ブルースをナイフで脅し、二度と来ないよう命令したのだとか。そんな事まであったのですから、クラプトンの要求には本当に驚いたことでしょう。あとからわかったことらしいのですが、クラプトンは二人の不仲を知らなかったそうです。ただ二人は不仲ではありましたが、ミュージシャンとしては認め合っていました。だからこそクリームは結成できたのです。

またクリームの楽曲の特徴として大きなものは、ロックに「インプロビゼーション(即興演奏)」を取り入れたことでしょう。ジンジャーとジャック・ブルースは元々ジャズのフィールドで活躍していたミュージシャンでした。ジャズといえばインプロビゼーションが当たり前。そんな彼らが楽曲にインプロビゼーションを持ち込んだのは自然なことだったのですね。原曲は数分の長さにもかかわらず、ライブでは15~20分の演奏になることもしばしば。お客さんたちもライブ会場でしか聴けないそのスリリングな演奏に熱狂しました。

プレイスタイル

一音一音、魂を込めて打っている印象があります。ジャズやブルースがベースになっていますが、エレキギターなど電気楽器が相手となれば話は別。鬼気迫るハードヒットで轟音のギターやベースに対抗します。とあるインタビューでは「アンプからの音が大きすぎて自分の音が聞こえないから、目一杯叩かなければいけなかった」「大音量に付き合わされ苦しんでいた」などと語っています。ドラムソロではルーディメンツを応用したフレーズを繰り返し、それらを派生させていくパターンが多いようです。スネアを多用したジャズ寄りのソロ、タムを多用した民族音楽的なソロなどが印象的で、一定のテンポを保ちながら展開させるソロが得意のようです。


BEST DRUM SOLO EVER GINGER BAKER(ドラムソロ「toad/CREAM」からの抜粋)

セッティング

現在はdwのセットを使用しており、2バス+4タムのセッティングです。以前はLudwig(ラディック)のシルバースパークルのセットを使用していました。かなり早い段階で2バスを取り入れており、ロックにおいてはジンジャーが第一人者であるという見方が有力です。65年頃に在籍したグラハム・ボンド・オーガニゼーションでの映像では1バスで演奏していますが、66年のクリームの演奏では2バスになっています。タム類の打面はほぼ水平にセッティングされています。そのためしっかり腕を上げ、真上から振り下ろさないといけません。ジンジャーのストロークが大きく見えるのは、そのためかもしれません。

使用機材(2017年現在)

ドラム ※サイズは口径×深さ(インチ)

1990年代後半からdwのセットを使用しています。スネアは13インチ、タムは10~14インチ、メインのバスドラは20インチと全体的に小さめです。フロアタムは使用せず、タム類は全てスタンドにセットされています。

ジンジャー・ベイカーのドラムセット1

  • A.スネアドラム13(深さ不明)DW-EDGE
  • B.タムタム 10×8
  • C.タムタム 12×9
  • D.タムタム13×10
  • E.タムタム14×12
  • F.バスドラム20×14
  • G.バスドラム22×14

※その他、スペアとしてLeedy(リーディー)社の14インチのスネアあり

ドラムヘッド

スネアドラム:REMOコーテッドアンバサダー
タム:dwクリアヘッド(表)、REMOクリアアンバサダー(裏)
バスドラム:dwクリアヘッド

シンバル ※サイズはインチ

シンバルはZildjian(ジルジャン)を使っています。ハイハットとリベット付ライドシンバルは68年のクリームのツアーの時に使われていたものとのこと。実に約50年前のシンバルです。お気に入りなのは当然でしょうが、とても楽器を大切に扱っている人なのでしょう。ライドに付いている「リベット」とは鋲のことです。シンバルにリベットを「固定せずに」付けることで、叩いたときにシンバルとリベットが擦れ「ジリジリ…」という独特のサスティーン音が残ります。リベット付シンバルを「シズルシンバル」を呼ぶこともあります。

ジンジャー・ベイカーのドラムセット2

  • A.16″ Kシリーズ ダークシンクラッシュ
  • B.14″ Aシリーズ ニュービートハイハット
  • C.8″ Aシリーズ スプラッシュ
  • D.8″ Aシリーズ ファストスプラッシュ
  • E.8″ Aシリーズ スプラッシュ
  • F.10″ Aシリーズ スプラッシュ
  • G.13″トップハット※特注(カップのないフラットシンバル)
  • H.22″ Aシリーズ リベット付ミディアムライド
  • I.18″チャイナ※シリーズ不明
  • J.18″ Aシリーズ ミディアムクラッシュ

その他

カウベルをセッティングしています。2005年頃はREMOのスポークスも使っていました。
フットペダル等のハードウェアはdw。スティックはジルジャン7Aを使用。

アルバム

Wheels of Fire(クリームの素晴らしき世界)/クリーム

Wheels of Fire

1968年にリリースされたクリーム3作目のアルバム。スタジオ録音とライブ録音の2枚組になっています。アメリカでは1位、イギリスでは3位を獲得するなど、クリームでは最も成功したアルバムです。代表曲である「White Room(ホワイトルーム)」や「Crossroads(クロスロード)」はこのアルバムに収録されています。ブルース、サイケデリックそしてロックをベースした曲と洗練されたアドリブで高い評価を得ています。特に2枚目のライブ録音ではメンバーそれぞれのアドリブがフィーチャーされており、聴きごたえ抜群です。

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Blind Faith(ブラインド・フェイス)/ブラインド・フェイス

1969年に唯一リリースされたアルバム。クリームのジンジャーとクラプトンが多才なスティーブ・ウィンウッドらを迎え結成したブラインド・フェイス。クリームの再来を望まれ、大きな期待を寄せられましたが、バンドは1年足らずで解散してしまいました。ブルースロックをベースにしているのはクリームと同じでしたが、ポップな要素が取り入れられ、聴きやすいアルバムに仕上がっています。収録されているクラプトン作の「Presence of the Lord」は今もクラプトンのライブで歌われています。

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