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Rolandのドラムトリガー「RT-30HR」をスネアに取り付けた様子
ドラムトリガーは
など、様々なジャンル/様々な用途で使われます。今回は主に「メタル」という音楽ジャンルに焦点を絞り、ドラムトリガーがどのように使われるか、そしてトリガーを導入したい人向けにオススメの機材を紹介します。メタルドラマー以外にも、打ち込み系音楽のドラマーにも役立つ内容になっているので、是非参考にしてみてください!
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1: ドラムトリガーって何? 2: ドラムトリガーを使うメリット 2.1: 少ない力で踏むことにより「フットワークの正確さ」に集中できる 2.2: 生音では出せない音を出すことができる 3: ドラムトリガーを使うデメリット 3.1: 誤作動が起きる 3.2: 出音の調整が難しい 4: ドラムトリガーの使い方 4.1: 【その①Roland編】ドラムに装着するタイプのトリガー 4.2: 【その②ddrum編】ドラムに装着するタイプのトリガー 4.3: 電子ドラム用のパットを使用する方法 5:オススメの音源モジュール 5.1: 【Roland】安定の国産ブランド! 6: まとめ
「トリガー」は主にドラムに装着する装置のことで、ドラムを叩いた際に振動を拾い、その振動を信号に換えて「音源モジュール」に送ることにより、電子音やサンプル音を鳴らす仕組みのことです。現代のメタルミュージックにおいて多用されているシステムで、普段耳にすることができるような音源の制作現場をはじめ、ライブでも使用されています。ちなみに「サンプル音」とはバスドラやスネアなど各ドラムが別々に録音された音で、メタル音楽にマッチするように加工されており、プレイがより安定して、力強く聴こえるようになるのです。
尚、メタルドラミングにおいては主に以下の3パターンが見受けられます。
なぜこのように分かれるか?それはトリガーにはメリットとデメリットがあるからです。
まずはトリガーを使用するメリットから。前項の「ドラムトリガーって何?」でも軽く触れましたが、より詳しく説明します。
メタルドラミングはツーバスの連打が多く、ギターのリズムとユニゾンする複雑なフレージングが登場することもあります。連打が速くなるほど、そしてフレーズが細かくなるほど、音量を稼ぐことや、粒立ちをよくすることが難しくなってきます。連打のスピードやフレージングの細かさは年々レベルアップしていますし、「このドラマーは一体どうやっているんだろう?」と驚く人も多いのではないでしょうか。さすがにプロとはいえ、BPM=200 以上の連打やユニゾンフレーズを生音であそこまでクッキリと踏むことができる人はそういません。そこでメタルドラマーが解決策として使うのがトリガーです。
バスドラムにトリガーを使用することにより、的確に設定すれば軽い力で踏むだけで爆音のバスドラムサンプルを鳴らすことができるのです。正確に踏むことに専念することによってタイトなパフォーマンスが可能になるのが、トリガーを使うメリットの一つといえるでしょう。またパフォーマンスがタイトになるだけでなく、腰への負担が減るので腰痛に悩むドラマーにも重宝されます。
トリガーを使うもうひとつのメリットが「メタルに特化した音を出せる」という点です。音源を聴くと分かりますがメタルのドラムは生音と全然違いますよね?スタジオのバスドラムを踏んでも、音源で聴くような「ベチベチ」、「カチカチ」という音は出ませんし、スネアもタムも全然違います。ライブではPAさんが音を処理・加工してくれるのですが、ライブハウスやイベントによってはPAさんがメタルに詳しくなかったり、あるいはメタルに向かないドラムセットしかなかったりという状況に遭遇するかもしれません。こういった場面でもトリガーが活躍します。
トリガーを使用して自分で用意したサンプル音を鳴らせば、どんなドラムセットでもメタルに特化した音を出すことができるのです。それもバスドラムだけでなく、スネアやタムもトリガーすれば怖いものなしでしょう。またライブハウスのPAさんだとここまで対応してくれないかもしれませんが、海外のメタルドラマーは生音とトリガーのサンプル音を混ぜ合わせ、好みのバランスで鳴らす人もいます。こうすることでサンプル音のパワフルさと、生音の人間味を両立することができるのです。
トリガーを使用するメリットを紹介しましたが、実はトリガーにはデメリットもあります。良いことばかりではないので、マイナスな面もちゃんとお伝えしますね。
多くのドラマーを悩ませるのがこの問題。軽く踏むだけでも爆音のサンプル音を鳴らしてくれるトリガーですが、場合によっては踏んでいないのにサンプル音が鳴ってしまったり、逆に踏んでいるのに鳴ってくれなかったり、というトラブルが起きます。トリガーの特性を活かすためには細かい振動にも反応するように設定する必要があるのですが、敏感に設定するあまりベースやギターなど他の楽器に反応してしまったり、あるいはスネアやタムの振動を拾ってしまったりする場合があるのです。
ということで細かい振動には反応しないように設定を変更すると、今度は踏んでいるのに鳴ってくれない、というジレンマに陥ります。こういった事態を避けるため設定値を研究するのですが、スタジオのドラムでは完璧な設定値を見つけても、それがライブハウスのドラムでもうまくいくとは限りません。特にドラムの口径が違う場合は要注意で、そういった場合は本番前のリハーサルで入念にトリガーの設定をチェックすることをお勧めします。
トリガーを使用するメリットとして「どこでもメタルに特化した音を出せる」という点を挙げましたが、このメリットはデメリットと表裏一体です。というのもトリガーで鳴らすサンプル音を自宅やスタジオでバッチシな音作りにしても、ライブハウスで鳴らしたら使い物にならなかったということもあります。PAさんはライブハウスのドラムの音作りには慣れていますが、あなたが持ち込むサンプル音はその場で聴くのが初めてでしょう。(専属のPAさんがいない限り・・・)そのためうまく処理できるとは限りませんし、下手に自分が作り込んだサンプル音を鳴らすよりも、PAさんが慣れているライブハウスのドラムの音を使った方が良い結果につながる可能性も十分にあります。
トリガーにはこういったデメリットもあるので、ゲネプロなど本番前に十分にチェックできる体制を整えておくのがお勧めです。
次は具体的な使い方を紹介します。
定番がこのドラムに装着するタイプのトリガー。お勧めの一つが国内メーカーであるRoland社のトリガーなのですが、以下の通りドラム別にモデルが用意されているので、トリガーしたいドラムに合わせて選びましょう。
使い方は簡単で下記の画像のようにドラムのフープに取り付けるだけ。手のひらにのるサイズなのでコンパクトですし、持ち運びが楽なのもメリットですね。
Adrian Erlandsson Trigger setup
Roland社のトリガーはプロのメタルドラマーにも愛用者が多く、メロデスの生みの親との呼び名も高いAt The Gatesのドラマーであるエイドリアン・アーランドソン氏も使用しています。
RT-30を…
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Trigger Acoustic Pro Kick
Rolandと並んでメタルドラマーに愛用者が多いのがddrum。ddrumはアメリカに拠点を置く2005年創業の新興メーカーです。ddrumもRoland同様にバスドラム用、スネア用、タム用のモデルを用意していますが、以下三つのシリーズに分かれているのが特徴です。
“Acoustic Pro Triggers”を中心に、センサーや配線システムに改良が加えられた”Chrome Elite Triggers”、そしてバックアップ用である2つ目のセンサーも搭載した”DRT Triggers”というラインナップになっています。
デスメタルドラマーのケヴィン・タリー氏もddrumのトリガーのユーザーの一人として知られています。ビデオを見ると分かりますが、バスドラムのフープにddrum製のトリガーを二つ装着していますね。(一つはトラブル時のバックアップ用かと思われます)
ddrumのトリガーを…
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Roland KD-140
「ドラムトリガーを使うデメリット」にて誤作動のリスクについてお話ししましたが、その解決に最も有効なのが電子ドラム用のパッドを使用するというトリガー方法。例えばバスドラムの場合、電子ドラム用のキックパッドを使用すればどんなライブハウスでも誤作動の可能性はほぼゼロになるでしょう。お勧めはRoland社の以下二つのキックパッド。
どちらともメッシュ材を使用したキックパッドで、違和感の無いナチュラルな踏み心地を実現してくれます。また安定性が高いので激しいツーバス連打を繰り返しても動く心配がありませんし、安心してプレイすることができるでしょう。
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ドラムに装着するタイプと、電子ドラム用パッドの二つのトリガー方法を紹介しましたが、トリガーにもう一つ必要なのが「音源モジュール」です。前項で紹介したトリガーはあくまでも振動を拾い、信号を送る装置であり、いわばマイクのようなもの。電子音やサンプル音を鳴らすためには、音源を搭載した機器が必要になるのですがそれが音源モジュールなのです。バスドラムのフープにトリガーを装着するか、電子ドラム用パッドを用意したら、ケーブルでこの音源モジュールにつなぐことで電子音やサンプル音を鳴らすことができます。(スタジオでは音源モジュールからPAミキサーへ繋ぎ、ライブハウスではPAさんへトリガーを使う旨を伝えましょう)
Roland TM-2
トリガーでも紹介したRolandですが、同社が手がける”V-Drums”は世界でもトップクラスの電子ドラムとして知られており、その核となる音源モジュールは多くのメタルドラマーに愛用されています。しかしバスドラのみトリガーするドラマーが多い中、今までは電子ドラム用の多機能な音源モジュールしか存在しなかったため、サイズが大きくて持ち運びにくかったり、金額が高かったり、何かと非効率的だったのです。そこでRolandがリリースしたのがトリガー目的に特化した”TM-2”。
幅13.5cm、奥行き13cmというサイズで持ち運びが楽ですし、電池駆動も可能。そして従来のモジュールが5万円以上したのに対して、TM-2は半額以下の2万円代と割安でまさにメタルドラマーにピッタリな音源モジュールなのです。「【その①Roland編】ドラムに装着するタイプのトリガー」でも紹介しましたが、At The Gatesのドラマーであるエイドリアン・アーランドソン氏もこのモジュールを使っているので、お手頃なだけでなく機能面でも優れていることを理解していただけるのではないでしょうか。
もし既に電子ドラムを持っているのであれば、手持ちの音源モジュールを使用することも可能ですが、今のところトリガー目的に特化したモデルはTM-2だけ。
にオススメの音源モジュールです。
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年々エクストリーム度合いが上がってきているメタルですが、その背景には速い連打や、細かいフレージングでもフットワークをクッキリ聴かせることを可能にするトリガーの存在があるのです。ですが、本記事の「ドラムトリガーを使うデメリット」でも紹介した通り、誤作動のリスクがあったり、音作りが難しい面もあったりします。トリガーを導入したその日から一気にパフォーマンスが向上する訳ではないので、十分に準備してから本番で使用しましょう。使いこなせるようになれば強い味方になるので、興味がある人は是非活用してみてください!
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