いざドラムを始めようとなった際、「まず何からしたらよいのか?」と考える場合が多いでしょう。ドラムはドラムスティックで叩いて演奏する楽器のため、初心者の方はまずドラムスティックを持つことから始めてみましょう。アコースティックドラムセットや電子ドラムが用意できればもちろん良い環境で練習が行えますが、最低限ドラムスティックさえあればすぐにドラムの練習は行えます。この記事では基本的なドラムスティックの持ち方、握り方を解説していきます。
目次
1:ドラムスティックを選ぼう! 2:ドラムスティックの持ち方の種類 ├ マッチドグリップ └ レギュラーグリップ 3:マッチドグリップは3パターン ├ ジャーマングリップ ├ フレンチグリップ └ アメリカングリップ 4:セットポジションを覚えよう! 5:ドラムスティックの持ち方のコツや確認方法
ドラムスティックは様々なメーカーが豊富なラインナップを持っていますので、どのドラムスティックを選んだら良いのか分からない方も多いと思います。初心者におすすめなモデルもありますが、どのドラムスティックを選んでも間違いではありませんので、例えば自分の好きなドラマーのシグネイチャーモデルやデザインで選んでしまっても大丈夫です。まずは実際にドラムスティックを持ってみるということがとても重要です。
自分で決めるのが難しいという方はこちらの記事を参考に選んでみてください。
ドラムスティックには大きく分けて2種類の持ち方があり、それぞれに得意とする奏法がありますが、どちらの持ち方で始めても問題はありません。自分自身がこれからやってみたいという音楽ジャンルにあわせて選ぶと良いでしょう。見た目のかっこよさで選ぶのもアリです。もちろん両方の持ち方をやってみたい!という方は是非チャレンジしてみてください。
左右の手で同様に、親指の腹と人差し指の第1関節もしくは第2関節でドラムスティックを摘む持ち方が「マッチドグリップ」です。中指、薬指、小指は添えるだけで、親指と人差し指でドラムスティックを振ることができればOKです。初めは少し力んでしまうこともありますが、すぐに慣れていきますので、焦らず徐々に形を覚えていってください。全ての指で握り込んでしまうと疲れやすく、音が詰まったりしてしまいますが、あえてそういったグリップで叩く場合もあり、決して間違いという訳ではありません。ドラムスティックを持った際にバット部分が少しはみ出るくらいの位置を持つのが一般的ですが、ドラムスティックの種類や個人差によって変わりますので、握った時にしっくりくる位置を見つけてみてください。
現在では大多数のドラマーが「マッチドグリップ」を採用しており、コントロールしやすく、パワーも出しやすいため、ポピュラー音楽全般に適していると言えます。どちらの持ち方が良いか迷った場合はまずマッチドグリップを選ぶのがおすすめです。
右手はマッチドグリップと同様ですが、左手はドラムスティックの1/3あたり(ドラムスティックによって異なるため、動かしながら持ちやすい位置を決めます。)を親指と人差し指の付け根に乗せ、薬指で支えます。人差し指、中指、小指は添えるだけにしてください。親指で挟んだ状態で他の指を動かさずドラムスティックを振ることができればOKです。マッチドグリップよりもパワーも出しにくく、コントロールが難しい分、習得には時間がかかりますが、マスターできれば繊細なスティックワークやパワーを出すことも可能になります。特にダブルストロークなどの奏法はレギュラーグリップの方がやりやすいという場合もあります。
「レギュラーグリップ」は「トラディショナルグリップ」と呼ばれることもあり、マーチング発祥の持ち方です。そのため、ドラムセットが誕生した1920年代〜1960年代にかけてスタンダードな持ち方であり、ほとんどのドラマーがレギュラーグリップで叩いていました。マーチングやジャズなどトラディショナルなジャンルをプレイする際にはおすすめです。
世界的にも約90%の人が右利き、もしくは両利きということもあり、ドラムセットは右利き用のセッティングになっていることがほとんどです。左利きの方の場合
①ドラムセットを全て反対に置いて左利きセッティングにする、
②ドラムセットは右利き用のまま、オープンハンド奏法(左手でハイハット、右手でスネアドラムを叩く)で演奏する、
③完全に右利き用で練習する
の3つのスタイルが考えられます。マッチドグリップであれば左右どちらでも違いはありませんが、レギュラーグリップの場合、①は右手、左手を逆にする、②③は右利きと同様の持ち方になりますので、注意が必要です。どのスタイルで演奏するのも個人の自由ですし、逆に個性を発揮できるものとして自分だけのドラミングを確立していきましょう!
「マッチドグリップ」には基本的な持ち方は同じですが、手首の角度の違いによってさらに3つの持ち方に分かれます。演奏中に切り替える場合もありますので、全て覚えておくと後々、役に立つでしょう。
「ジャーマングリップ」は手の甲が真上を向く角度で構えます。手首の可動域が広く取れるため、ドラムスティックを大きく振り、遠心力を生かしてパワーを生み出せますが、中指、薬指、小指のフィンガーコントロールは生かしにくいため、速いスティックワークはやや不向きなグリップです。
ジャーマングリップとは対照的に手の甲が横を向き、親指が上を向いている状態で構えるのが「フレンチグリップ」です。フィンガーコントロールが最もしやすいグリップのため、速いスティックワークを得意としていますが、パワーは出しにくい特徴があります。
ジャーマングリップとフレンチグリップのちょうど中間の持ち方が「アメリカングリップ」です。現在では最もオーソドックスであり、パワーも出すことができ、フィンガーコントロールもしやすいバランスの良いグリップです。初心者の方はこのアメリカングリップで持つのがおすすめです。
グリップごとの特徴をまとめましたので、忘れてしまった時はこの表を見て確認してみてください。
ジャーマングリップ | 手首の可動域が広い パワーが出しやすい |
フレンチグリップ | フィンガーコントロールしやすい 速いスティックワークが得意 |
アメリカングリップ | パワーとコントロールのバランスが良い 様々なジャンルに対応しやすい |
レギュラーグリップ | 最も繊細なタッチで叩くことができる ジャズやマーチングに最適 |
ドラムスティックをもつことができたら次に「セットポジション」を覚えておきましょう。どんな持ち方でも良いのでドラムスティックを持ったらハの字になるように構えてみてください。電子ドラムや練習パッドなどある場合はその上で構えてみるとよりグッドです。
練習パッドなどに対してやや浮かせた状態でセットします。ドラムスティックを振る「ストローク」において重要になりますので、しっかり覚えておきましょう。
グリップ別のセットポジション
ジャーマングリップ
フレンチグリップ
アメリカングリップ
こちらの動画でも解説しています。
いざドラムスティックを実際に持ってみると「持ち方が合っているのか分からない」「持ってもいまいちしっくりこない」「上手くドラムスティックが振れない」などの悩みも出てくるかと思います。ここではそんな時におすすめする確認方法やコツを解説していきます。
最も簡単な方法は鏡や写真、動画を見て確認する方法です。練習中に自身の動きを客観的に見るのは上達速度向上において非常に重要ですので、最初の段階から癖付けておくことをおすすめします。鏡の場合は左右が逆になりますが、リアルタイムで確認、修正が行えます。写真や動画は上からや横からなど撮影することで練習後などに客観的にフォームの確認等が行えます。誰でも簡単に行うことができる方法ですので、是非試してみてください。
ドラマーにとって脱力は大事だという話はよく聞くことがありますが、実際に脱力してみるとドラムスティックを落としてしまうといったことが起こりえます。最初からグリップの力加減をコントロールするのは難しいため、どのくらいの力で握ればドラムスティックを落としたりしないかを確認しておきましょう。片方の手で思い切りドラムスティックを握った状態で、もう片方の手でそのスティックを引っ張ってみてください。段々と力を弱めていけば力加減を覚えることができます。練習を繰り返していけば、最終的にはインパクトの瞬間だけ握り、それ以外の時は脱力というコントロールができるようになりますが、まずはドラムスティックを落とさない程度の力加減で握れれば問題ありません。
手っ取り早くグリップ力を上げるためには筋肉を鍛えるのもおすすめです。ドラムスティックを握る際には、主に親指の付け根の筋肉である「母指内転筋」を使いますので、この部分を鍛えれば少ない力で握る=脱力もしやすくなります。またドラムスティックを振る動きには前腕部の「尺側手根屈筋」も重要になりますので、あわせて鍛えておくのがおすすめです。
おすすめな鍛え方としてはドラムスティックのバット部分を親指と人差し指で摘み、手首が動かないように固定して指の力だけで動かしてみてください。最初は少しやっただけでもすぐ痛くなってしまうかもしれませんが、どこでも手軽にトレーニングできますので、毎日少しずつ行えばすぐに慣れてきます。
「ドラムスティックを持つ」ということは基本中の基本ですが、突き詰めれば最も重要なこととも言えます。初心者以外の方でも改めてドラムスティックの持ち方を確認してみるのも良いかもしれません。
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