Rolandが新たなフラッグシップモデルとして7 SERIESを発表[記事公開日]2024年11月7日
[最終更新日]2024年11月7日

Roland 7 SERIES

世界トップクラスの電子ドラムメーカー「Roland」は新たなフラッグシップモデルとして新しい音源モジュールを搭載した電子ドラム「7 SERIES」を発表しました。この記事では「7 SERIES」の特徴とラインナップされている「TD716」「TD713」「VAD716」についての紹介、解説をしていきます。


  1. 7 SERIESの特徴
  2. 7 SERIESのラインナップ紹介

7 SERIESの特徴

新たに開発された音源モジュールやデジタル・パッドなど「7 SERIES」ならではの特徴を従来モデルと比較しながらら紹介、解説していきます。

新たに開発された音源モジュール「V71」

Roland V71

「7 SERIES」最大の特徴は新たに開発された音源モジュール「V71」と言えるでしょう。従来よりも大きくなったカラー・ディスプレイを採用し、より見やすく、直感的な操作が可能になっただけでなく、1,000以上の音色数を内蔵し、プリセットは70以上、最大保存数は200となっており、「TD-50X」と比較しても大幅に増強していることが分かります。内蔵音源自体もDWとのコラボレーションによって制作され、全く新しいサウンドへ進化、レイヤーごとにエフェクトをかけることが可能になり、より幅広い様々なサウンドメイクができるようになりました。

V71:接続端子

入出力端子に関してはそこまで大幅な変化はありませんでしたが、USB BタイプからUSB Type-Cへの変更など、より使いやすくなっています。また、従来通りのトリガーイン端子を搭載しているため、「TD-50」や「TD-50X」を搭載した電子ドラムを使用している方はモジュールの変更をするだけで新しいサウンドを取り入れることが可能であり、買い替えも1つの選択肢として考えてよいでしょう。

TD-50Xからの主な変更点

  • ドラム・キット数:100(プリセット50以上)→200(プリセット70以上)
  • 音色数:900以上→1000以上
  • エフェクト:レイヤーごとのトランジェント、イコライザーの調整が可能に、オーバーヘッドマイクシミュレーターにキット・レゾナンスが追加、4系統、94種類のバス・エフェクト、バス・リバーブが追加
  • ディスプレイ:グラフィックLCD 256×80ドット→グラフィック・カラーLCD 4.3インチ
  • 接続端子:USB Bタイプ→USB Type-C、AC IN端子→DC IN端子
  • 電源:AC100V→DC12V

アコースティック感をもたらすデジタル・パッド

演奏面において重要な役割を持つパッドも新たなモデルが開発、採用されています。それぞれの特徴や機能を見ていきましょう。

PD-14DSX

Roland PD-14DSX

新たに開発された14インチのデジタル・スネア「PD-14DSX」はヘッド・ショット、リム・ショット、クロス・スティックなどの奏法の変更もシームレスに変更する事が可能であり、アコースティックならではの打感とレスポンスを兼ね備えています。さらに搭載されたストレイナーによってスナッピーのオン/オフをすることができるようになったため、演奏中でもスムーズな音色の変更が可能です。ストレイナーノブはスナッピーのテンション調整だけでなく、プッシュ・コントロールとしても使用する事ができるため、自身のプレイスタイルに合わせてカスタムできるのも特徴的なポイントとなっています。

VH-14D

Roland VH-14D

「TD-50X」と同時に発売された「VH-14D」は電子ドラムを選ぶ際に非常に重要となるハイハットのオープン/クローズの解像度を最大限引き出したデジタル・ハイハット・パッドです。実際のハイハットと同様にトップ、ボトムに分かれており、アコースティックな打感だけでなく、高解像度のトリガー・システムによってダイナミクスやフットワークも再現することが可能になっています。

CY-18DR

V-Drums CY-18DR

デジタル・ライド「CY-18DR」は「TD-50」発売時から使用され続けており、叩いた際のリアルな揺れ方やエッジ、ボウ、カップそれぞれのダイナミクス・レスポンスを実現、シンバルロールやソフトなタッチでのベルサウンドなども可能にしています。静電気容量タッチ方式によって指で触れるだけでミュートできる機能も非常に重要なポイントです。

KD-22、KD-18-BK、KD-12

V-Drums KD-22

ラインナップによって異なりますが、バスドラムパッドも一新されています。
「TD713」のバスドラムパッド「KD-12」はコンパクトな設置面積かつ7.5インチの大型打面を採用し、セッティングのしやすさと機能性が特徴です。新しいラバーフットを採用しているため安定性も向上し、リアルな踏み心地を実現しています。
「TD716」のバスドラムパッド「KD-18-BK」と「VAD716」のバスドラムパッド「KD-22」はそれぞれ18 x 12、22 x 18サイズのウッドシェルを採用し、独自のヘッド・マウント・センサー・システムによってアコースティックな演奏感を再現しています。従来のモデルよりもキックペダルやビーターの高さ調整がしやすくなっているため、プレイスタイルに合わせたセッティングも可能です。「KD-22」はグロス・チェリー、グロス・エボニー、グロス・ナチュラル、パール・ホワイト、サテン・ウォルナットの5カラーがラインナップされています。

どのバスドラムパッドもシングルペダル、ツインペダルどちらも対応しており、同梱のKDP-5を貼り付ける事で硬質なビーターにも対応し、耐久性を高める事ができます。

PD-10X、PD-12X

V-Drums PD-10X

「TD716」に採用されている新しいタム・パッド「PD-10X」「PD-12X」はデジタル・パッドではありませんが、それぞれダイキャストフープを搭載しており、4ウェイ・センサー・システムによってリムとヘッドの情報を正確にモジュールまで伝達し、アコースティックと同様の演奏感とサウンド、ダイナミクスが得られるものとなっています。

ソフトウェアやアプリとの連携

従来モデルにはなかった新しいソフトウェアとの連携も注目すべきポイントです。購入を検討されている方はしっかり押さえておいた方がよいでしょう。

Roland Cloud

Roland Cloud

「Roland Cloud」にアクセスすることで、アップデートパッチの配信だけでなく、過去モデルの音源やトップ・ドラマーやプロデューサーによって制作された音源をダウンロードする事が可能です。最大6つのエクスパンションを同時に使用する事ができるため、内蔵音源と合わせて多種多様なサウンドメイクをすることができます。

DW Soundworks

DW Soundworks

「DW」が手掛けたハイブリッドドラムである「DWe」にも搭載され、スタンドアロンのプラグイン音源としても使用できる革新的なソフトウェアである「DW Soundworks」にも対応しているため、本格的なアメリカンサウンドを体感する事ができます。ライブラリは今後も増えていく予定となっていますので、中々購入したり、試奏する機会のない名機やレアな限定モデルのサウンドも手軽に使用できるのもおすすめなポイントです。

7 SERIESのラインナップ

「7 SERIES」には「TD713」「TD716」「VAD716」の3機種がラインナップされています。共通点もありますが、それぞれに特色がありますので、自身に合った電子ドラムを選ぶ際には参考にしてください。

画像 モデル スネア タム ハイハット クラッシュ ライド キック スタンド
TD713 PD-14DSX PDX-100(x4) VH-14D CY-14R-T、CY-16R-T CY-18DR KD-12 MDS-Grand 2
TD716 PD-14DSX PD-10X、PD-12X VH-14D CY-16R-T(x2) CY-18DR KD-18-BK MDS-Stage 2
VAD716 PD-14DSX PDA100、PDA200、PDA140F(x2) VH-14D CY-16R-T CY-18DR KD-22 DTS-30S

TD713

コスパ重視の方におすすめ!
Roland TD713

「7 SERIES」の中で最も手軽に購入することのできる「TD713」はコンパクト性、機能性、価格を重視する方におすすめです。新しい音源モジュールである「V71」を活用できるモデルではありますが、新しく開発されたタム・パッド「PD-10X」「PD-12X」は採用されていないため、その点は注意が必要です。

TD716

とにかくサウンド、打感にこだわりたい方におすすめ!
Roland TD716

「V71」音源モジュールの性能を最大限引き出したい方は「TD716」がおすすめです。新しく開発されたタムパッド「PD-10X」「PD-12X」を採用した唯一のモデルとなっており、バスドラムはアコースティックな見た目や踏み心地を体感できる「KD-18-BK」を採用し、サウンド、打感共に最高クラスな電子ドラムです。

VAD716

見た目もアコースティックにしたい方におすすめ!
Roland VAD716

アコースティックドラムセットのような電子ドラム”ハイブリッドドラム”を求めている方はこの「VAD-716」がおすすめです。バスドラムだけでなく、タム、フロアパッドも従来のモデルで採用されていた「PDA100」「PDA200」「PDA140F」を採用し、全てのパッドがウッドシェルとなった、アコースティックドラムを思わせる見た目となっています。カラーバリエーションも5色あるため、サウンドや打感だけでなく、見た目にもこだわりたい方はこのモデルがおすすめです。

※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています。