世界のシンバルメーカー、ブランド一覧

[記事公開日]2025/1/26 [最終更新日]2025/1/26
[ライター]林慶一郎 [編集者]神崎聡

“BIG 4(ビッグ・フォー)”とも呼ばれる4大シンバルメーカー「Zildjian」「PAiSTe」「SABIAN」「MEINL」は有名ですが、その他にも様々なシンバルメーカーが世界各地に存在しています。この記事では世界4大シンバルメーカー、トルコ系シンバルメーカー、その他のシンバルメーカーに分類して紹介していきます。

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ヨーロッパ、アジア、オセアニアのドラムメーカー、ブランド一覧

※アルファベット順
  1. 世界4大シンバルメーカー
  2. トルコ系シンバルメーカー
  3. その他のシンバルメーカー

MEINL

「MEINL(マイネル)」は1951年にドイツのグーテンシュテッテンで設立されたメーカー、ブランドです。銅と鈴の配合比が異なる4つの合金(B8、B10、B12、B20)を生産している唯一のメーカーであり、ヴィンテージサウンドを様々な形で再現した”Byzance”シリーズやヘヴィなサウンドとコストパフォーマンスを実現した”CLASSICS CUSTOM”シリーズなどオールジャンルに対応できるラインナップを持っています。シンバル以外にもパーカッションやドラムスティックを展開しており、多くのドラマーに愛用されているメーカーです。日本代理店はキョーリツコーポレーション。

MEINLを使用しているドラマー

  • Benny Greb(ベニー・グレブ)
  • Matt Halpern(マット・ハルパーン)
  • Anika Nilles(アニカ・ニルズ)
  • Luke Holland(ルーク・ホランド)
  • Matt Garstka(マット・ガルスカ)

PAiSTe

PAISTE

「PAiSTe(パイステ)」は1906年にロシアのサンクトペテルブルクで設立されたメーカー、ブランドです。世界情勢によって何度かの移転を繰り返し、現在はスイスに本社を構えています。B8(2002ブロンズ)、B20、シグネイチャーブロンズの3種類の合金を使い分けており、主にキャストシンバルを主軸にしている他メーカーと異なり、全てのシンバルが板状の合金を加工して製造するシートシンバルとなっているのが最大の特徴です。”2002″シリーズなどハードロック系のドラマーが使用しているイメージが強いですが、”Fomula 602″シリーズなどジャズドラマーに好評なモデルも展開しています。日本代理店はモリダイラ楽器。

PAiSTeを使用しているドラマー

  • John Bonham(ジョン・ボーナム)
  • Tommy Aldridge(トミー・アルドリッジ)
  • Steve Jordan(スティーヴ・ジョーダン)
  • Stewart Copeland(スチュワート・コープランド)
  • Chad Smith(チャド・スミス)

SABIAN

SABIAN

「SABIAN(セイビアン)」は1981年にカナダのニューブランズウィック州に設立されたメーカー、ブランドです。「Zildjian(ジルジャン)」から派生したシンバルメーカーの1つであり、B20ブロンズを使用した伝統的なシンバルを製造しています。B20キャストシンバルの”AA”シリーズや”HHシリーズ”をはじめ、様々なジャンルに対応できるラインナップを展開しており、特に「Pearl(パール)」のドラムセットと合わせて使用するドラマーが多い印象です。日本代理店はパール楽器製造。

SABIANを使用しているドラマー

  • Jojo Mayer(ジョジョ・メイヤー)
  • Billy Cobham(ビリー・コブハム)
  • Dave Weckl(デイヴ・ウェックル)
  • David Garibaldi(デイヴィッド・ガリバルディ)
  • Jack Dejohnette(ジャック・ディジョネット)

Zildjian

ZILDJIAN

「Zildjian(ジルジャン)」は1865年にトルコのコンスタンチノープルに設立(創業は1623年)されたメーカー、ブランドです。全てのシンバルの始祖とも言えるメーカーであり、創業から現在に至るまで常にトップ戦線を走り続けています。シンバルのスタンダードと呼ばれる”A Zildjian”をはじめ、”Kerope”などヴィンテージを追求したシンバルだけでなく、スタックシンバルなどのエフェクト系シンバルも数多くラインナップしており、電子ドラムやドラムスティック、ヘッドホンなど多岐に渡る製品展開を行なっているメーカーです。日本代理店はヤマハ。

Zildjianを使用しているドラマー

  • Gene Krupa(ジーン・クルーパ)
  • Travis Barker(トラヴィス・バーカー)
  • Taylor Hawkins(テイラー・ホーキンス)
  • 神保 彰(じんぼ あきら)
  • 川口 千里(かわぐち せんり)

Zildjianを更に詳しく紹介、解説!

《全てのシンバルの始祖》Zildjian(ジルジャン)《ドラムメーカー研究》

Agean

AGEAN

「Agean(エイジーン)」は2002年にトルコのイスタンブールに設立されたメーカー、ブランドです。トルコの伝統的なハンマリング等の製法と合金比率によって製造されており、ブライトからダークなサウンドまで様々なジャンルに対応したシンバルをラインナップしています。日本代理店はエレクトリ。

Ageanを使用しているドラマー

  • 高橋 幸宏(たかはし ゆきひろ)
  • 玉田 豊夢(たまだ とむ)

Amedia

AMEDIA

「Amedia(アメディア)」は2005年にトルコのイスタンブールで設立されたメーカー、ブランドです。伝統的な製法と熟練された職人達によって作られており、ヴィンテージサウンドを再現したモデルだけでなく、エフェクト系等のモダンなシンバルまで幅広いラインナップを持っています。日本代理店はティ・エム・シィ。

Amediaを使用しているドラマー

  • 福盛 進也(ふくもり しんや)
  • Eric Wiegmann(エリック・ウィーグマン)

Bosphorus

BOSPHORUS

「Bosphorus(ボスフォラス)」は1996年にトルコのイスタンブールで設立されたメーカー、ブランドです。数あるトルコ系シンバルメーカーの中でも巨匠と呼ばれる有数の優れたシンバル職人3人の30年以上に渡る製造技術と経験を活かし、ヴィンテージサウンドを再現しています。”Gold”シリーズのようなモダンなモデルもありますが、”Turk”シリーズなどレイジングを施さずハンドハンマリングのみで仕上げるシンバルが特におすすめです。日本代理店は野中貿易。

Bosphorusを使用しているドラマー

  • Ari Hoenig(アリ・ホーニグ)
  • Scott Mclemore(スコット・マクレモア)

Istanbul Agop

ISTANBUL AGOP

「Istanbul Agop(イスタンブール・アゴップ)」は1980年にトルコのイスタンブールで設立されたメーカー、ブランドです。「Zildjian(ジルジャン)」の流れを汲むメーカーの1つであり、トルコの伝統的な製法を継続しながらも現代のニーズに合わせた製造設備や環境を整えて製造を行っており、伝統的なサウンドがコンセプトの”Traditional”シリーズやモダンなエフェクト系シンバル”Clap Stack”など幅広くラインナップを展開しています。日本代理店は野中貿易。

Istanbul Agopを使用しているドラマー

  • Brooks Wackerman(ブルックス・ワッカーマン)
  • Cindy Blackman (シンディ・ブラックマン)
  • James Gadson(ジェームス・ギャドソン)
  • Jimmy Chamberlin(ジミー・チェンバレン)
  • Lenny White(レニー・ホワイト)

Istanbul Mehmet

ISTANBUL MEHMET

「Istanbul Mehmet(イスタンブール・メメット)」は1996年にトルコのイスタンブールで設立されたメーカー、ブランドです。「Istanbul Agop(イスタンブール・アゴップ)」と同じく「Zildjian(ジルジャン)」の流れを汲むメーカーの1つであり、近代的な製造設備ではなく、職人の育成とハンドメイドにこだわったトルコの伝統的な製法を守り続けています。シンバル製造が始まった1623年を冠した”Black Sea 1623″や高いハンマリング技術が垣間見える”Legend Dry”などよりヴィンテージらしいシンバルを多く揃えているメーカーです。日本代理店は野中貿易。

Istanbul Mehmetを使用しているドラマー

  • Carmine Appice(カーマイン・アピス)
  • Vinny Appice(ヴィニー・アピス)

Turkish

TURKISH

「Turkish(ターキッシュ)」は1996年にトルコのイスタンブールで設立されたメーカー、ブランドです。「Zildjian(ジルジャン)」の流れを汲むメーカーの1つであり、トルコの伝統的な製法を守りつつ、ヴィンテージな”Classic”シリーズからモダンな”FX”シリーズまで幅広くラインナップしています。日本代理店はコマキ通称。

Turkishを使用しているドラマー

  • John Blackwell(ジョン・ブラックウェル)
  • Jarrod Cagwin(ジャロッド・キャグウィン)

CRESCENT

「CRESCENT(クレセント)」は2012年にアメリカのジョージア州で設立された「Cymbal Masters(シンバル・マスターズ)」社によって立ち上げられたブランドです。2015年に「SABIAN(セイビアン)」に買収され、現在はSABIANの1つのシリーズとして展開されており、エンドーサーも全員迎え入れられました。現在、SABIANのラインナップからは削除されているため、入手は困難となっています。

CRESCENTを使用しているドラマー

  • Jeff Hamilton(ジェフ・ハミルトン)
  • Stanton Moore(スタントン・ムーア)

emjmod

EMJMOD

「emjmod(イーエムジェイモッド)」は2020年に大阪で設立されたメーカー、ブランドです。ドラマーとしても活動している「延命寺(えんめいじ)」氏によって作られたブランドであり、日本のシンバルメーカー「小出(こいで)」での修行や独自の研究によって培った技術を活かし、現場で使えるサウンドをテーマに製作されています。ハイハット、クラッシュ、ライドだけでなく、オリジナルデザインの”Multitone”やエフェクトクラッシャーの”SAKANA”などエフェクト系シンバルも多数揃えられており、今後も注目したいメーカーの1つです。

emjmodを使用しているドラマー

  • 柏倉 隆史(かしくら たかし)
  • MATARO(またろう)
  • かねこ なつき
  • 仙波 清彦(せんば きよひこ)
  • リエイ

ORION

ORION

「ORION(オリオン)」は1999年にブラジルで設立されたメーカー、ブランドです。他メーカーに比べると歴史は浅めですが、B10、B20ブロンズを使用した15種類(マーチング用シンバルも含む)のシリーズを展開しており、南米においては最大の知名度を誇ります。

ORIONを使用しているドラマー

  • Caio D’Angelo(カイオ・ダンジェロ)
  • Mike Fury(マイク・フューリー)

UFiP

UFIP

「UFIP(ユーヒップ)」は1931年にイタリアのトスカーナ州に設立されたメーカー、ブランドです。遠心鋳造や回転鋳造とも呼ばれるロトキャスティング製法で知られており、これによって合金中のエアポケットを減少させ、高い品質のシンバルを生み出すことに成功。特殊なデザインを持つ”Tiger”シリーズやクリアなルックスとサウンドを持つ”Supernova”シリーズなど高い鋳造技術が見受けられるモデルがラインナップされています。日本代理店はキクタニミュージック。

UFiPを使用しているドラマー

  • Gee Anzalone(ジー・アンザローネ)
  • Federico Paulovich(フェデリコ・パウロビッチ)

小出

小出

「小出(こいで)」は1946年に大阪で創業した金属加工メーカー「小出製作所(こいでせいさくしょ)」が2004年に立ち上げたブランドです。長年培ってきた金属加工技術を活かし、日本で初めてシンバル製造と販売を成功させており、オールドターキッシュサウンドの”703″シリーズやB20ブロンズを丹念なハンマリングによって仕上げられたオールラウンドな”609″シリーズなどあらゆるジャンルに適したラインナップを展開しています。代理店はコマキ通商。

を使用しているドラマー

  • Marty Bracey(マーティ・ブレイシー)
  • 茂木 欣一(もてぎ きんいち)
  • 玉木 正昭(たまき まさあき)
  • ASA-CHANG(アサチャン)
  • サンコンJr.(サンコン・ジュニア)

世界4大シンバルメーカーを選べば間違いありませんが、個性を出したい、自分自身のサウンドを見つけたいという方は是非この記事を参考にしてみてください。

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