キックペダル(ドラムペダル)はスネアドラムと並び、始めて購入するマイ機材という方も多いでしょう。この記事ではキックペダルの基本的な知識とおすすめモデルを紹介していきます。
おすすめのペダルが知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
シングルペダル&ツインペダルの選び方とおすすめ10選!
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1:キックペダルとは? 2:各部位の名称を覚えよう!
ビーター | カム |
ドライブ | フットボード |
アンダープレート | ヒンジ |
スプリング | フープクランプ |
スパー | ウィングボルト |
「キックペダル(ドラムペダル)」とはバスドラムを足で演奏するための重要なハードウェアであり、フットボードと呼ばれるプレートを足で踏むことで、ドライブ(駆動機構)が引っ張られ、その先に繋がったビーターがバスドラムを叩くという仕組みになっています。キックペダルの大部分は金属でできており、各メーカー、モデルによって調整するパーツや方法が異なります。自身のプレイスタイルに合わせたモデルを選んだり、調整することで演奏への影響も非常に大きく現れます。
様々な種類のドラム類を並べたものが「ドラムセット」と呼ばれるようになったのはこのキックペダルの影響はとても大きく、ドラムを演奏する、語る上でも欠かせないものです。ハードロック、メタル黎明期にはバスドラムを左右の足で踏む「ツーバス」が台頭し、1つのバスドラムでもツーバス演奏ができるよう「ツインペダル」が開発されました。
ドラム発祥に関してはこちらの記事を参考にしてください。
ドラムの歴史
「キックペダル」は調整したり、メンテナンス時のパーツ交換などが必要になってきますので、各部位の名称を覚えておくと非常に役に立ちますので、是非覚えておきましょう。
「ビーター」は直接バスドラムを叩く部分であり、出音に大きく影響を及ぼすパーツです。先端のバスドラムを叩く部分を「ヘッド」、棒の部分を「シャフト」と呼びます。素材や形状によっても音色が変わりますので下記を参考にしてください。どのモデルにおいても簡単に交換できるパーツのため、いろいろ試してみると良いでしょう。何種類か持っておくとスタジオやレコーディング、違うバンドでの演奏など様々な場面で交換できるため便利です。
素材の違いは硬い音や柔らかい音、アタック音の強さなど音色に影響を与えます。自身のプレイスタイルやジャンルに応じて素材を選択すると良いでしょう。ビータによっては回転させる事で素材や形状を切り替えられるものも存在します。
フェルト
最もスタンダードな素材がフェルトです。柔らかいものから硬質なものまでバリエーションは豊富ですが、アタックはやや弱めで暖かみのある音色が特徴であるため、オールジャンル使用できますが、特にポップスやジャズなどに向いています。
ウッド
フェルトよりも硬いためアタックが強く出るのがウッドです。こちらも愛用しているドラマーは多く、各メーカーによってサイズや若干の硬さの違いがあります。タイトなサウンドやパワーを出したい方などにおすすめなビーターです。
樹脂
ウッドと同様に硬い樹脂ですが、より無機質な音色が特徴です。ウッドよりも加工しやすいため、幅広い形状のラインナップから選べるのも良いポイントです。ハードロックやメタルドラマーにおすすめなビーターの1つです。
ラバー
カホン用のビーターとして多く採用されているのがラバーです。柔らかいタイプのものが多く、アタックよりも鳴りを重視する場合にはこちらのビーターをおすすめします。中には硬質なものもありますので硬さをよく確認しておきましょう。
形状の違いはビーターとバスドラムの接地面の大きさの違いであり、接地面が小さければタイトに、大きければパワーのあるサウンドになります。
円球型
「円球型」は最もバスドラムとの接地面が小さく、点で捉える形状のためタイトですが、あまりパワーは出せません。「音量は小さくしたいけど、粒立ちは無くしたくない」という方におすすめです。他の形状に比べラインナップは多くありません。
円筒型
多くのビーターに採用されている形状が「円筒型」です。バスドラムとの接地面は円球型に比べ、縦に広がるイメージです。タイトかつ音量も稼げますのでオールラウンドに使用できると言って良いでしょう。迷ったらこの形状を選ぶと良いです。
円形(平面)型
「円形(平面)型」はバスドラムとの接地面が大きく平面で捉えるため、パワーが出しやすい形状です。踏み込んだ時に独特の感触がありますが、クローズ奏法の場合抑え込みやすいのも特徴です。音量を稼ぎたい人はこの形状を選びましょう。
「カム」はドライブの動きを左右する重要なパーツです。形状の違いにより力のかかり方が変わり、コントロールのしやすさやパワーの出やすさが変わってきます。カムの種類は大きく分けて以下の3つに分類できます。
「真円」カムはその名の通りドライブが円の軌道で動くため、スムーズな動きが特徴です。その分パワーは落ちますが、コントロールを重視したい方はこちらを選びましょう。
楕円の軌道で動くのが「偏心」カムの特徴であり、初動は遅いですが、急加速する動きとなっています。コントロールするにはやや慣れが必要ですが、パワーを出したい方にはおすすめです。
1つのカムで調整によって真円と偏心どちらの動きも可能にしているのが「可変」カムです。可変カムの代表的なモデルは「DW9000」などが挙げられます。
フットボードを踏んだ力をビーターに伝える役割を持っているため、キックペダル選びにおいて最も重要視されるのが「ドライブ」です。3つのタイプに分類され、自身のプレイスタイルに与える影響も大きいのでしっかり覚えておきましょう。
最もポピュラーなのが「チェーン」ドライブです。自転車などにも使われるローラーチェーンをペダル用に改良しており、コントロールとパワーを両立しています。各メーカーからリリースされているため、自身に合ったペダルを見つけやすい利点もあります。チェーンが1本の「シングル」と2本の「ダブル」がありますが、「シングル」は低価格モデルに多く、予算が許せば基本的には「ダブル」を選ぶことをおすすめします。
ゴムやナイロン、革などを使用しているのが「ベルト」ドライブです。チェーンよりも柔らかく伸びがあるため、より奥に踏み込んだ感覚を得られます。パワーは出にくいですが、軽いため早いフットワークや細かいニュアンスを出したい方におすすめです。
「ダイレクト」ドライブはアルミなどの金属で作られており、その名の通り踏んだ力をダイレクトに伝えてくれるのが特徴です。チェーンやベルトに比べると踏み込んだ際のリバウンドが強く感じられるため、扱うにはやや慣れが必要ですが、早いフットワークには最も適しています。
「フットボード」は直接足の裏で踏む部分です。メーカーやモデルによって大きさや長さが違うため、自身の足の大きさやプレイスタイルによって丁度良いものを選ぶと良いでしょう。アンダープレートに固定されている踵部分は「ヒールプレート」と呼ばれます。
「アンダープレート」はキックペダル全体を支えているプレートを指します。折りたたみ可能など、モデルによってはアンダープレートが無い場合もありますが、やや安定性に欠けるため、ハードなフットワークを行う方はアンダープレートがあったほうが良いでしょう。
フットボードとヒールプレートを繋ぐ部分を「ヒンジ」と呼びます。モデルによって外側に付いている場合と内側に付いている場合があります。
キックペダルの踏み心地を調整する部分が「スプリング」です。中にはスプリングが調整できないモデルもありますが、ほとんどのモデルは調整可能であり、スプリングを強めれば踏み心地は重く、リバウンドが強くなり、スプリングを弱めれば踏み心地が軽く、リバウンドが弱くなります。
キックペダルをバスドラムフープに固定するのが「フープクランプ」です。バスドラムとキックペダルの相性によっては上手く固定できない場合もありますが、スペーサーを入れることで解決できるでしょう。
キックペダルを動かないように固定する役割を持つのが「スパー」です。キックペダルのスパーは先端が尖っており、ドラムマットなどに刺して固定します。フローリングなどの床の上に置くと傷がつきますので注意してください。
「ウィングボルト」はドラム類全般に使用される手で回せるボルトを指しますが、ここではフープクランプを調整するネジとして紹介します。
キックペダルは様々な部分が調整できるようになっており、自分好みのセッティングにすることができます。以下で紹介するものは初心者でも簡単な調整箇所になりますので是非試してみてください。全てのモデルではありませんが、ほとんどのモデルで共通している項目です。
ほとんどのキックペダルのビーターはカム右側に位置するボルトによって固定されており、長さの調節が可能です。固定しているボルトはテンションボルトと同じくチューニングキーで回すことができますので簡単に長さの調節が可能です。ビーターの位置はバスドラムの中心に当たるようにするのが一般的です。もしパワーを上げたい場合は長めにセットし、バスドラムの中心から上にあたるようにしてください。(その分コントロール性とタイトさは若干失われるので注意。)
シャフトの長さ | 長い | 短い |
踏み心地 | 重い | 軽い |
リバウンド | 大きい | 小さい |
サウンド | パワーが出る | タイト |
コントロール | ややしにくい | しやすい |
ビーターの角度調整箇所はモデルによって異なる場合がありますが、スプリング上部に位置している事が多いです。キックペダルを踏んでいない際の角度を変えることにより、踏み心地やパワーの出しやすさが変わります。バスドラムに対して45°くらいがスタンダードであり、角度をつけるほど踏む力が必要になりますが、パワーを出すことができます。チューニングキーで調節することが多いですが、六角レンチなどが必要になる場合もあります。(基本的にはキックペダルの調整箇所は付属しているチューニングキーや六角レンチで調節が可能になっていますので、付属品は失くさないようにしましょう。)
ビーターの角度 | 大きい | 小さい |
踏み心地 | 重い | 軽い |
リバウンド | 大きい | 小さい |
メリット | パワーが出る | コントロールしやすい |
デメリット | 踏む力が必要 | 速いフットワークがしにくい |
スプリング下部に付いているボルトナットで調整可能であり、基本的には手で回すことができます。スプリングを強めると踏む力が必要になりますが、その分パワーを出すことができます。逆に弱いとリバウンドが弱くなり速いフットワークが難しくなります。ビーターの角度と同じ特徴がありますのでバランスを取って調整できるようになると良いでしょう。
スプリングの強さ | 強い | 弱い |
踏み心地 | 重い | 軽い |
リバウンド | 強い | 弱い |
メリット | パワーが出る | コントロールしやすい |
デメリット | 踏む力が必要 | 速いフットワークがしにくい |
結論から言うとどちらでもOK!ですが、靴の方がパワーは出しやすく、コントロールはしにくい傾向にあり、裸足の方がコントロールしやすい分、パワーは出にくい特徴があります。裸足では速いフレーズが踏めたのに靴を履くとできない、、なんて事もありますので、どちらが良いか分からない場合は一度両方試してみましょう。また靴の場合は専用のドラムシューズを用意しておくのもおすすめです。毎回違う靴で踏むと感覚も変わってくるため、都度キックペダルの調整も必要になる場合もあります。
最後にキックペダルを開発している主なドラムメーカーを紹介します。キックペダル専門のメーカーはほとんどなく、主要なメーカーは聞いたことのあるドラムメーカーばかりかと思います。特に国内の3メーカーは世界的にも非常に人気のあるキックペダルを数多くリリースしています。
キックペダルを語る上で欠かせないのが「DW」です。「DW9000」や「DW5000」は世界的なベストセラーとなっており、近年では新しいペダルの形を作り上げた「MDD」など全てのドラマーを魅了する強力なラインナップを持っています。価格はやや高めですが、プロアマ問わず多くのドラマーが最終的に行き着くキックペダルの1つとしても有名です。
DWのキックペダルを…
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日本を代表するメーカーの1つ「Pearl」のキックペダルも世界中のドラマーに愛用されており、素早いフットワークを可能にする「Demon Drive」シリーズやスパースタンダードモデル「Eliminator」シリーズなどをリリースしています。価格帯も幅広く初心者でも選びやすいラインナップも特徴です。
Pearlのキックペダルを…
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「TAMA」もPearlと同じく世界的に人気メーカーの1つであり、特に国外ではトップクラスの人気を誇ります。パワー重視の「Iron Cobra」シリーズ、スピード重視の「Speed Cobra」シリーズなどパワーヒッターやスピード系のドラマーに人気な傾向にあります。特にハードロック、メタル系との相性は抜群と言えるでしょう。
TAMAのキックペダルを…
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「YAMAHA」のキックペダルは安定感のあるスタンダードなモデルが多く、誰でも扱いやすいオールラウンドさが特徴です。近年フラッグシップモデルとしてリリースされた「FP9」シリーズはモダンな機構を搭載しており人気を博しています。名機と呼ばれ2015年に復刻された「FP720」は知らない人がいないほど有名です。
YAMAHAのキックペダルを…
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ドイツのドラムメーカー「SONOR」は世界で最初にキックペダルを開発したと言われており、中でも「Giant Step」は踏み心地や安定感など必要な要素を全て兼ね備えた代表的なペダルです。「ジョジョ・メイヤー」氏のシグネイチャーモデルである「Perfect Balance」も世界的に大ヒットしています。
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「Ludwig」の創立者である「ウィリアム・ラディック」氏によってキックペダルは世界中に広がり、ドラムセットの誕生に繋がっています。現在ではラインナップは2種類ですが、名機である「Speed King」はダイレクトドライブの代名詞であり、今もなお多くのドラマー達が愛用しているキックペダルの1つです。
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「Axis」は1990年に設立されたまだ若いメーカーですが、特徴は何と言っても速さにこだわっている点です。高速のツーバスやダブルアクションを可能にしており、ギネス記録を持つスピードドラマー達が愛用しています。国内では入手しにくい現状のため、ややマニアックですが、速さを求めるなら探してみるのも良いでしょう。
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「Trick」も1990年に設立されたメーカーでシカゴで製造されています。「Axis」と同じくスムーズなアクションによりスピードを追及しているキックペダルです。こちらも国内ではまだ入手しにくいですが、もし試す機会があれば踏んでおいて損はないでしょう。
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キックペダルは何を選ぶかによって演奏のしやすさが大きく変わってきます。特に初心者の方はキックペダルにこだわるだけで上達スピードも上がりますので、慎重に選びましょう。次の記事ではシングルペダルとツインペダルのおすすめモデルをそれぞれ5台ずつ紹介していきます。
自分自身に合ったキックペダルが見つかるだけでもフットワークが軽やかになり、バスドラムの演奏も上達します。初心者の方は特に低価格モデルという理由ではなく、踏みやすいキックペダルを選んでください。
キックペダルの売れ筋を…
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