いわゆる打楽器と言えばドラムセットやタンバリン、最近ではカホンやカリンバなどが有名ですが、「パーカッション」という言葉を知らない方は多いかと思います。こちらの記事ではパーカッションの解説と世界の打楽器を紹介していきます。価格が安い楽器も多いので興味を持った方は是非チャレンジしてみてください!
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1:パーカッションとは? 2:パーカッションの歴史 3:パーカッションの種類 4:パーカッションを製造する主なメーカー 5:地域別パーカッション紹介 アフリカ ラテンアメリカ ヨーロッパ アジア
パーカッションとは打楽器全般の総称です。(パーカッションは英語で打楽器以外にも衝撃、衝突、振動などの意味を持っています。)表面を「打つ」「振る」「擦る」ことで音が出る楽器がパーカッションに分類され、長い歴史を持つ楽器の1つです。楽器の構造上「打つ」ことで音を出す楽器はパーカッション以外(例えば鍵盤を押すことで内部のハンマーが弦を叩くアコースティックピアノ)にもありますが、その場合はパーカッションに分類されない事が多いです。
またパーカッションは
に分かれます。
ほとんどのポピュラー楽曲において「リズム」は骨となる部分であり、「リズム」を体現しているパーカッションは非常に重要な役割を持ち、パーカッシブなアプローチを用いていない曲を探す方が難しいほどです。
またさらに大きく①体鳴楽器②膜鳴楽器の2種類に分類されますが、その中でも更に細分化し多種多様な楽器が存在します。
※楽器分類学をもとにしています。
パーカッションとは打楽器全般の総称なのでドラムセットもパーカッションの1部という事になります。一般的にいわゆる「パーカッショニスト」は「ドラムセット以外の打楽器を複数演奏する奏者」のことを指しますが、実は「パーカッショニスト」の中に「ドラマー」も含まれています。スネアもタムもフロアもシンバル類もまとめてパーカッションというわけです。
パーカッションの歴史は音楽の歴史と言っても過言ではありません。簡単にはなりますが、パーカッションの歴史を辿ってみましょう。
世界最古の打楽器はメソポタミア文明時代に生まれた「フレームドラム(片面太鼓)」と言われ、膜鳴楽器に分類されます。身近な楽器で言えば「タンバリン」も「フレームドラム」の1種です。演奏方法は手のひらや指、爪などで叩いたり擦ったりして多様な音を奏でることが出来る楽器です。多くのプロパーカッショニストから「フレームドラム」で学んだ奏法はコンガやボンゴなどの別のパーカッションでも活かすことができる、「打楽器の原点」と言われています。この時代ではまだシンプルな音程の楽器や音階を用いており、音楽史においても古代音楽として分類されています。パーカッションもまたシンプルに叩いたりするものが中心でした。
その後、クラシック音楽やオペラが発展するとともにパーカッションも進化を遂げていきます。
18世紀半ばには複数の楽器で合奏を行うオーケストラが生まれ、コンサートも行われるようになります。初期の頃は管弦楽器を中心としていましたが、やがて打楽器も含まれるようになります。「ティンパニ」「シンバル」「バスドラム」が加わり、ロマン派音楽では更に「チャイム」「マリンバ」「グロッケンシュピール」なども演奏されるようになりました。
そして近代のクラシック音楽では「銅鑼」「ボンゴ」「コンガ」のように様々な世界のパーカッションも取り入れられ更なる発展を遂げています。ポピュラー音楽よりも「アナログ」感が強いクラシック音楽ですが、電子楽器を取り入れたりすることもあるため、今後は電子楽器編成のクラシック音楽も生まれるかもしれませんね。
クラシック音楽とは別にいくつかの時代、場所で発展を遂げてきたポピュラー(現代)音楽ですが、特に有名なジャンルとして「ゴスペル」そして「ブルース」が挙げられます。「ゴスペル」や初期の「ブルース」では「ハンドクラップ」や「ストンプ」のような「ボディパーカッション」や「スキッフル(即席)楽器」をパーカッションとして用いていました。
そしてヨーロッパで発展を遂げていた吹奏楽が人気となり、キックペダルを用いてのバスドラム演奏やシンバルを一緒にセットし演奏する「ドラムセット」の原型が生まれます。
1900年代には「ジャズ」が生まれ、「ブルース」と共に人気を博し、「スイング」「カントリー」などのジャンルが誕生していきます。「ハイハット」が開発されたのはこの時代ですね。
更に「ロック」が生まれTVなどの普及に伴い音楽の商業化が進み、現在では多種多様なジャンルが生まれ、それに応じた楽器も生まれています。
現在ではパーカッションも「電子化」し、様々な音色が1つの楽器で奏でられるようになっています。
世界最古の楽器とは、、約4万年前にハゲワシの骨で作られた「フルート」なんです!吹き口はV字に切られており、音程を変える為に指で抑える穴も開けられています。最古の打楽器と言われている「フレームドラム」でも約5千年前、途轍もない歴史を感じます、、!しかし、世界最古の楽器は打楽器だと推測している説もあり、「人体」も打楽器の一部(ハンドクラップやボイスパーカッションなど)と捉えることが出来るため、「人体」こそが世界最古の打楽器と言われる場合もあります。こればかりはタイムスリップして確認しない限り分からないでしょう。もしかしたら石や木をドラムセットのように組んで叩いていたクロマニョン人がいたかもしれませんね!
※参照元:https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/1358/
パーカッションは構造、音の鳴らし方により「体鳴楽器」「膜鳴楽器」の2つに分類できます。その中でもさらに細かく分類されています。順番にみていきましょう。
その名の通り叩いたり擦ったりした場所から音が鳴る楽器を「体鳴(たいめい)楽器」と言い、ほとんどのパーカッションはここに分類されています。金属製や木製など素材で分類されることもありますが、今回は奏法や楽器の構造等で分類していきます。
打つ(叩く)ことで音を鳴らす代表的な楽器は「カスタネット」「クラベス」「拍子木」「ウッドブロック」「カホン」「シンバル」「スチールパン」「トライアングル」「カウベル」など。中には「打つ」だけでなく「振る」「擦る」楽器もあります。
振ることで音を鳴らす代表的な楽器は「マラカス」「シェイカー」「アサラト」「シェケレ」「カシシ」「スレイベル」など。中には「振る」だけでなく「打つ」「擦る」楽器もあります。
擦ることで音を鳴らす代表的な楽器は「ギロ」「カバサ」「ウォッシュボード」「シンギングボール」「棒ささら」など。中には「擦る」だけでなく「打つ」「振る」楽器もあります。
音階がついた鍵盤を叩くことでリズムだけでなくメロディやコードも奏でることができる楽器です。「シロフォン」や「マリンバ」「グロッケンシュピール」「ヴィブラフォン」「カリンバ」などがあります。
「歌う」ということもそうですが、人間の身体も楽器になります。パーカッションの観点で言えば「ハンドクラップ」「ストンプ」「ボイスパーカッション」などが当てはまります。
こちらも名前の通り「膜」を鳴らす楽器を指します。「膜」とは「皮」や「ヘッド」のことを指しますので、「スネアドラム」や「タムタム」、「フロアタム」、「バスドラム」は全て膜鳴楽器です。
他にも「ジャンベ」「コンガ」「ボンゴ」「和太鼓」「タブラ」「ティンバレス」「ティンパニ」など主に手やスティックで叩く楽器が多く、パーカッションといえばこれらを思い浮かべた人も多いと思います。中には「タンバリン」や「パンデイロ」のように叩くだけでなく、振ったり擦ったりして演奏する楽器もあります。
正確に言えばパーカッションでは無いものの、パーカッショニストが演奏を行う際によく使用する楽器として、サンバホイッスルやスライドホイッスルなどの「汽鳴楽器」もパーカッションの一部として取り扱われていることがあります。
楽器では無いものでも叩いたり擦ったりして音が出ればパーカッションとして扱うこともできます。例えばテーブルやグラス(正確に言えばグラスハープという楽器も存在します!)なども「特殊楽器」として分類されることもあります。過去に様々なものの音が録音され楽曲に使われており、ハンマーやタイプライター、中には大砲といったものまで使用される事がありました。
パーカッションはとても身近にありお手軽な楽器ですが、奥が深い楽器とも言えますね!
ちなみに楽器分類学では「体鳴楽器」「膜鳴楽器」「汽鳴楽器」以外にギターやバイオリンなどの「弦鳴楽器」、電気楽器、電子楽器を総称して「電鳴楽器」と5種類に分類しています。気になった方は是非調べてみてください!結構面白くて夢中になりますよ!
パーカッションメーカーも楽器と同じく数多く存在しますが、ここでは国内、国外で有名なパーカッションメーカーをセレクトして紹介します。
※アルファベット順。一部のドラムメーカーとして有名なメーカーは除外します。
「Gon Bops」は1954年にコンガビルダーのメキシコ系アメリカ人、マリアーノ・ボバティヤ氏によってアメリカのロサンゼルス、ダウンタウンのガレージで誕生しました。パーカッションメーカーとしては最も歴史があるメーカーの一つであり、世界中のパーカッショニストから愛されています。クラシカルなキューバンスタイルのコンガはもちろん、ラテンパーカッションだけにとどまらず様々なパーカッションを作り上げています。日本の代理店はPearl。
Gon Bopsのパーカッションを…
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Latin Percussionを略して「LP」というアメリカのメーカーです。1964年にマーチン・コーエン氏によって設立されました。ヴィブラスラップやカバサの開発で有名になり、今では世界一有名なパーカッションメーカーと言っても過言ではありません。ラテンパーカッションだけでなく、多種多様なパーカッションを作成しており、100人を超えるエンドーサーと契約しています。日本の代理店はモリダイラ楽器。
LPのパーカッションを…
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現在4大シンバルメーカーとも言われている「Meinl」は1951年にローランド・マイネル氏によってシンバルそしてパーカッションメーカーとして設立されました。黎明期はシンバルのみの製造でしたが、1978年からパーカッション部門が設立されました。現在ではカホンを始め世界中のパーカッションを開発、製造しています。他のパーカッションメーカーには無い斬新さやオリジナリティ溢れる楽器も多く、近代音楽において使用しやすい楽器が多いです。
meinlのパーカッションを…
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「PLAY WOOD」は1969年に千葉 勉氏により設立されたバロックミュージックが手がけるパーカッションメーカーです。ラテン系などの民族系パーカッションも作っていますが、クラシック系のパーカッションや教育楽器も多く、その幅広いラインナップから日本だけでなく海外でも愛用されています。工場も国内にあり純国産として日本を代表するパーカッションメーカーです。
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1982年、家具職人をしていたゲルハルト・プリル氏によりドイツで誕生したメーカー「Schlagwerk(シュラグベルク)」は世界で最も有名なカホンメーカーの1つです。近年カホンがブームになっていますが、「Schlagwerk」による功績は非常に大きなものと言えるでしょう。カホンや一緒に演奏するためのシンバルやハードウェア、アタッチメントなども豊富にラインナップされているのでカホニストには是非知っておいて欲しいメーカーです。他にもギターに取り付けるパーカッションなど斬新なアイディアを感じられる楽器も開発しています。日本の代理店はコマキ通商。
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1990年代に総合楽器メーカーである「KMC」がハンドパーカッションにフューチャーしたメーカーを発足しました。それが「TOCA」です。ステーブシェルと言われる頑丈な構造が特徴で、特にジャンベのメーカーとして国内では有名です。少しハードルが高かった民族的なパーカッションを比較的安価かつ、使いやすい形で開発した事で幅広いプレイヤーから支持を得ています。もちろん本格的なパーカッションの開発も行っているため、多くのプロパーカッショニストも愛用しているメーカーです。日本の代理店は日本娯楽。
TOCAのパーカッションを…
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「Tycoon」は1983年香港出身のミュージシャンだったスティーブン・ユー氏によりタイのバンコクにて設立されました。黎明期はギターのOEMメーカーでしたが、タイ特有の気候などからパーカッション製造に転換し、現在では世界中のパーカッショニストが使用する程になっています。特徴の1つとして全ての楽器がタイでハンドメイドされています。ラテンパーカッションがメインでラインナップはそこまで多くはありませんが、「Tycoon」ならではのサウンドが感じられる楽器ばかりです。日本の代理店は星野楽器。
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1989年に小牧 明氏により設立されたコマキ通商が手掛けるメーカー「サウンドキング」は世界中の民族的なパーカッションを作っています。マウルトロンメルやクナリチャイムなどマニアックな楽器も多く、国内で取り扱っているのが「サウンドキング」のみといった楽器も少なくありません。世界各地の民族楽器に興味のある方におすすめのメーカーです。コマキ通商は「サウンドキング」の他に「K.M.K」という日本やクラシック系のパーカッションをメインに作っているメーカーも手掛けています。
サウンドキングのパーカッションを…
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ドラマー、パーカッショニストが絶対に押さえておいた方が良いお店、それが「Japan Percussion Center」です!株式会社コマキ楽器(上記したコマキ通商と同じく小牧 明氏が代表取締役ですが、別の会社です。こちらは1954年設立。)が運営する総合打楽器専門ショップです。相当マニアックな民族楽器なども取り揃えているため、国内でここに無ければ無いと言っても過言ではありません。オンラインでも様々な商品を見ることができますので一見の価値あり!お店自体は東京、浅草にありますので行った事がない方は是非寄ってみてください!
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