2023年5月に「Foo Fighters」への加入が発表された「ジョシュ・フリース」氏は「Guns N’ Roses」や「The Offspring」など数多くのバンドやアーティスト達をサポートしてきたキャリアを持つ人気ドラマーです。この記事ではフリース氏の辿った軌跡やプレイスタイル、使用機材などを分析し、解説していきます。
目次
生い立ち、下積み時代 所属バンドやキャリア プレイスタイル分析 使用機材 おすすめの音源
本名:Joshua Ryan Freese(ジョシュア・ライアン・フリース)
1972年12月25日にアメリカフロリダ州オーランドにて誕生、父親はチューバ・ソリストの「スタン・フリース」、弟はマルチ・ミュージシャンの「ジェイソン・フリース」。
フリース氏は8歳でドラムを叩き始め、父であるスタン氏がディズニーワールドとディズニーランドのバンドディレクターを務めていたこともあり、12歳の時に少年達で構成された「Polo」というバンドのドラマーとして、キャリアをスタートさせます。
※「Jr. Starsearch」というオーディションTV番組で演奏し、チャンピオンとなった「Polo」。この時のドラマーは「ジミー・キーガン(Spock’s Beard)」。
16歳で高校を退学、「フランク・ザッパ」の息子である「ドゥイージル・ザッパ」氏と共に活動し、その後は 「the Vandals」とレコード制作やツアーに回ることとなります。
フリース氏が所属、サポートしてきたバンドは数知れず、全てを紹介しきることは難しいですが、年表と共に見ていきましょう。
※「the Vandals」ではパワフルなプレイでパンクロックサウンドを支えています。
※「A Perfect Circle」への加入によりテクニカルでヘヴィなプレイも目立つようになります。
※「Foo Fighters」への加入が発表され、エネルギッシュなドラミングはテイラーを彷彿とさせます。
他にも「Queens of the Stone Age」、「Dwarves」、「Goon Moon」等とのレコーディングやツアー、ライブサポート、自身のソロアルバム制作など幅広く活動を行っています。
数多くのバンドをサポートし、大ヒットを生み出した経験も少なくないフリース氏。パワフルで速いパンクスタイルのドラミングがベースとなっていますが、様々なジャンルに対応できるアプローチやグルーヴを持っているフリース氏のプレイスタイルを動画とともに分析、解説していきます。
※「The Offspring」でのオーソドックスなパンクドラミング。
「The Vandals」の頃から速いテンポの8ビートやダブルタイム8ビート等のシンプルなドラムパターンにロールを多用したフィルインなどがフリース氏の得意とするドラムパターンです。ただ闇雲に速いだけではなく、しっかり楽曲を盛り上げるリズムとグルーヴを生み出せているのは、決して他の楽器の邪魔をしない耳の良さと適応力の高さと言えるでしょう。
※フリース氏のキャリアの中でも高い評価を得ているのが「Nine Inch Nails」でのドラミングです。
シンプルなフレーズを用いるのはベースとなっていますが、変拍子などのテクニカルなプレイにも対応することができ、ダイナミクスのコントロールやヘヴィなグルーヴ、高速ツーバス連打などオールラウンドに活躍できる理由は一目瞭然です。フリース氏はアメリカン〜フレンチグリップで、人差し指を伸ばし気味にしているのが見受けられ、かなり軽く握っているのが分かります。また、速いフレーズなどは手首をやや回転させることで対応しています。
※「Sting」のライブ映像。「スチュワート・コープランド(The Police)」とはまた一味違うドラミング。
フリース氏の楽曲を活かすドラミングは、ロックの中でも特に歌モノ系と相性が良く、大ヒットに繋がっています。ライブももちろん魅力に溢れていますが、フリース氏の持ち味はスタジオでの楽曲制作やセッション、レコーディング時に発揮するドラムパターン、フィルメイクにあると言えます。
フリース氏はドラムスローンをやや高めにセットしていますが、全体的にスタンダードなセッティングで、無理ない体勢で全ての楽器を演奏できる位置に配置しています。様々なアーティストをサポートしているため、使用している楽器はかなりの数になると思われますが、公開されている情報を元に紹介していきます。
キャリアにおいて様々なドラムセットやを使用していますが、DWのドラムセットがメインです。セッティングはジャンルによって変更し、シンプルな場合もあれば、多点キットにしている場合もあります。
タムタム | 10″ × 8″ 12″ × 9″ 14″ × 11″ |
フロアタム | 16″ × 14″ 18″ × 16″ |
バスドラム | 24″ × 18″ |
カラー | Black Lacquer Black Hardware |
※DWのベルブロンズスネアという説が有力です。
シンバルは「Paiste」を愛用しており、2003年からエンドース契約を結んでいます。サポートするバンドやアーティストによって使用するシンバルは異なりますが、主に使用しているシンバルは以下になります。
ハイハット | 15″ 2002 Sound Edge Hi-Hat 14″ Signature Dark Energy Hats Mark I |
クラッシュ シンバル |
19″ 2002 Crash 20″ 2002 Crash 17″ Signature Dark Energy Crash Mark I 18″ Signature Dark Energy Crash Mark I 19″ Signature Full Crash |
ライド シンバル |
22″ Signature Dark Energy Ride Mark II 22″ Signature Power Ride 21″ Masters Medium Ride |
スプラッシュ シンバル |
10″ Signature Splash 12″ Signature Splash |
エフェクト シンバル |
20″ PST X Swiss Medium Crash |
ペダルはスピーディーかつ操作性の良い「DW9002」を使用しています。ツアーサポートなどの際には耐久性や扱いやすさも重要になります。
ハードウェア類は全て「DW / 9000」シリーズで統一されています。
ハイハットスタンド | 9500 |
シンバルスタンド | 9700 |
スネアスタンド | 9300 |
タムスタンド | 9934 |
ドラムスローン | 9100 |
サポートするバンドによっては、ドラムセットにトリガーやパッドなど電子楽器をと入れることもあります。
ドラムヘッドは「Remo」を使用しており、オーソドックスなタイプのドラムヘッドを選ぶ傾向にあります。
ドラムスティックは自身のシグネイチャーモデルを使用しています。オーバルチップを採用した40.6cm × 14.7mmの5Bサイズでテーパーが短く、パワーヒッターにおすすめです。
フリース氏のドラミングを聴くことができるおすすめのCDを紹介します。
80年代後半から90年代にかけて、カリフォルニアパンクシーンは「Fat Wreck Chords」や「Epitaph Records」所属の人気バンドが人気を博していましたが、そんな中90年代を代表するアルバムとして誕生したのが、「The Vandals / Fear of a Punk Planet」です。フリース氏は1989年にThe Vandals加入して以来、現在までオリジナルメンバーとして在籍しており、爽快なパンクロックドラミングによって、バンドの人気を支えています。現在のオールラウンドプレイヤーとしてのドラミングも魅力的ですが、是非フリース氏のドラミングの原点とも言えるパンクアルバムを聴いてみてください。
The Vandals / Fear of a Punk Planetを…
Aアマゾンで探す R楽天で探す YYahoo!ショッピングで探す
2020年にロックの殿堂入りを果たした現代のモンスターロックバンドの1つ「Nine Inch Nails(以下NINと呼称。)」がリリースした7枚目のアルバム「The Slip」はフリース氏がレコーディングを行っています。テクノなどのエレクトロミュージックの要素を取り入れていますが、フリース氏は過去に電子ドラムメーカーである「Simmons」と契約していたこともあり、NINとの相性は非常によく、それらと融合したフリース氏のドラミングは一聴の価値ありです。曲の中には電子ドラムのようなサウンドでレコーディングされたものもあり、全曲通して聴き応えのあるアルバムとなっています。
Nine Inch Nails / The Slipを…
Aアマゾンで探す R楽天で探す YYahoo!ショッピングで探す
「Evanescence / Fallen」は2003年にリリースされたデビューアルバムであり、世界で約1,700万枚販売された大ヒットアルバムです。アルバムを通し、ミドルからスローテンポでヘヴィなサウンドとグルーヴが特徴ですが、フリース氏は見事に歌、楽曲を生かし、叩きこなしています。”速いテンポの曲に慣れていると、遅いテンポの楽曲に手こずる、慣れるまでに時間がかかる”とはよく聞く話ですが、そのテンポでもすぐに対応できるのはフリース氏の懐の深さを感じます。過去に行ったサポート経験が生かされているのではないでしょうか。
Evanescence / Fallenを…
Aアマゾンで探す R楽天で探す YYahoo!ショッピングで探す
Wikipedia:Josh Freese、The Vandals、A Perfect Circle、Devo、Evanescence
Media:Paiste Official Site、Remo Official Site、VATER Official Site、SPIN.com、Drummerworld、DW Official Site
※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています。
drum-hakase.com
drum-hakase.com
drum-hakase.com
drum-hakase.com
drum-hakase.com
drum-hakase.com
drum-hakase.com
drum-hakase.com
drum-hakase.com