ドラマーにとってヘッドホンやイヤホン、イヤーモニターは必需品であり、様々な場面で必要になってきますが、価格や種類なども豊富にあるため、選ぶ際には悩まれる方も多いと思います。この記事ではヘッドホンを中心に選び方やおすすめ品を解説、紹介していきます。
※モニター向きになりますので、基本的に有線タイプの紹介となります。一部を除きワイヤレスの説明はありません。
目次
1:ヘッドホン、イヤホン、イヤーモニターの基礎知識! ├ ヘッドホン ├ イヤホン └ イヤーモニター 2:ヘッドホン選びのポイント3つ! ├ 使用用途や環境 ├ 音質 └ 装着感 3:おすすめヘッドホン10選! ├ SHURE / SE846 ├ beyerdynamic / DT 770 PRO ├ VIC FIRTH / VIC-VXHP0012 ├ Roland / VMH-D1 ├ AKG / K240 STUDIO ├ SONY / MDR-7506 ├ SENNHEISER / HD599 ├ SHURE / SE215 ├ KOSS / SPORTA PRO └ audio-technica / ATH-EP1000IR
音楽プレイヤーなどの再生装置から電気信号を受け取り、耳に近接したスピーカーによって音を聴くことができる機器を総称して「ヘッドホン」と呼びますが、構造や形状によって一般的な呼称が異なります。
ここではヘッドホン、イヤホン、イヤーモニターに分類してそれぞれのパーツ名称や構造の違いなどを解説していきます。
※他にもヘッドセットなどの種類はありますが、この記事では省略いたします。
ヘッドバンドで頭に固定し、イヤーパッドが耳全体を覆うように装着できるものが「ヘッドホン」で、オーバーヘッド型や耳覆い型などと呼ばれることもあります。イヤーパッドとハウジングの間に組み込まれた「ドライバーユニット」がスピーカーとなり耳元で音が発生する仕組みです。
ドライバーユニットを覆っているハウジングの構造によって「クローズド(密閉型)」「オープン(開放型)」「セミオープン(半開放型)」の3種類に分類することができます。
一般的にヘッドホンと呼ばれているものはほとんどが「クローズド(密閉型)」です。ドライバーユニットを完全にハウジングで覆っているため、“最も音漏れのしない”構造となっています。日頃の練習からレコーディングまで幅広い用途に使用する事ができますが、長時間の使用は聴き疲れや耳へのダメージにつながります。また、普段使いする際は集中したい時や外出先でのリスニングにも最適ですが、周囲の音が聴こにくいため注意が必要です。
「オープン(開放型)」はドライバーユニットを覆うハウジングがメッシュなどの多孔構造になっているため、空間の音を取り込むことでモニタースピーカーで聴くような“自然な音で聴くことのできる”ヘッドホンです。長時間の使用でも疲れにくいため、DTMなどの作曲、編集作業や電子ドラムでの練習や自宅でのリスニングに最適ですが、音漏れしやすいため注意が必要です。
「クローズド(密閉型)」と「オープン(開放型)」の構造や特性を併せもっているのが「セミオープン(半開放型)」です。部分的に音を遮断する構造になっているため、練習からリスニングまで“様々な用途に使用しやすい”ヘッドホンです。「AKG」や「beyerdynamic」など一部のメーカーからのみ発売されています。
イヤーピースを耳に直接装着するものを「イヤホン」と呼びますが、外耳部分に乗せるものを「イヤホン」、外耳道まで挿入するものを「インイヤーヘッドホン(インイヤーモニター)」と分類することもあります。
※この記事では外耳道に挿入するタイプのものをイヤーモニターとして分類しています。
ヘッドホンと同じくイヤーピースとハウジングの間にドライバーユニットが搭載されています。ケーブルとイヤホン本体を繋ぐブッシュ部分にコネクターが搭載され、ケーブルの脱着、リケーブルが可能なイヤホンもあります。
外耳部分に取り付けるイヤホンの場合、手頃な価格のものが多く購入しやすいのが良いポイントですが、遮音性はそこまで高くありません。そのため音量の大きいドラムセット(特にアコースティックドラム)で練習する場合はボリュームが足りないなど、やや使いにくいこともあるかもしれません。遮音性がそこまで高く無いため、大音量でリスニング、モニタリングしてしまいがちですが、難聴などになりやすくなるため注意が必要です。
「イヤーモニター」は「インイヤーヘッドホン」や「インイヤーモニター」、「カナル型」とも呼ばれ、イヤーピースを外耳道に挿入することで高い遮音性と楽器のモニタリングに特化した構造や性能をもっているイヤホンです。ほとんどのイヤーモニターはリケーブルが可能なコネクターの搭載や交換用のイヤーピースが付属しており、小さい音量でもしっかりモニタリングできるのが特徴です。外を歩いている時などは高い遮音性に伴い、周囲の音が聞こえず危険なため使用はおすすめしません。
ほとんどのドラマーが曲やクリックを聴きながら練習していますが、音楽プレイヤーから直接繋いだだけでは”曲が聞こえにくい”、”ドラムの音がこもってきこえる”などの問題点に遭遇することがはよくあります。それらを解消する機材は少なくありませんので、一部機材を紹介します。
市場には多くのヘッドホンが流通しているため選ぶのも一苦労です。ここではドラマー向けにポイントを絞ったおすすめのヘッドホンを紹介していきます。
使用用途や使用環境に応じたヘッドホンを選ぶ事が最も重要です。買ってみてから使用用途に合っていない場合、例えば“レコーディングに使用したいのにオープンを買ってしまい、漏れた音をマイクが拾ってしまう”、“長時間練習や編集作業をしたいのにクローズドだとすぐに疲れてしまう”など、再度購入しなければならない場合もあるため、しっかり把握しておきましょう。
用途と環境 | おすすめ |
電子ドラムでの練習 | セミオープン イヤーモニター |
アコースティックドラム での練習 ※PA環境無し |
セミオープン オープン |
アコースティックドラム での練習 ※PA環境あり |
クローズド イヤーモニター |
レコーディング | クローズド イヤーモニター |
ライブ | イヤーモニター |
自宅でDTM | オープン セミオープン |
外出先でDTM | クローズド イヤーモニター |
自宅で音楽鑑賞 | オープン セミオープン |
外出先で音楽鑑賞 | クローズド セミオープン |
レコーディングを除き、どのような環境においても幅広く使用できるのがセミオープンになりますので、最もおすすめできます。初めてヘッドホンを購入する場合にはセミオープンを選び、レコーディング用にクローズドもしくはイヤーモニターを用意すればほぼ全ての場面で困ることはありません。
曲をコピーする際や演奏時の快適さにはヘッドホンの「音質」の違いが大きく関係します。簡単にいえば高いヘッドホンほど音質が高くなるという認識で問題ありませんが、音質の良さに関係するパーツや仕様を説明していきます。
先述した「クローズド(密閉型)」「オープン(開放型)」「セミオープン(半開放型)」のハウジング構造のちがいと「ダイナミック」と「バランスドアーマチュア」に分類される駆動方式の違いになります。
多くのヘッドホンに搭載されているのが低音が効いたパワフルな音が特徴の「ダイナミック」で、イヤーモニターなどのカナル型のイヤホンにはクリアで解像度の高い「バランスドアーマチュア」が採用されている事が多いです。
スピーカー部分となるドライバーユニットの大きさ(mm)で、口径が大きいほど音質が良くなりますが、上述した駆動形式による部分も重なるため、そこまで気にする必要はありません。
ヘッドホンが再生できる周波数帯の広さを指し、「Hz(ヘルツ)」で表記されます。周波数帯が広いほど高音域から低音域までの音がクリアに聴こえるようになります。
人間の聴くことのできる可聴域は20〜20,000Hzと言われていますが、上限が40,000Hz以上の周波数帯を持つものはハイレゾと呼ばれています。
ドラムセットは高音域から低音域まで幅広い楽器が揃っているため、バランス良く聴こえる広い周波数特性を持つヘッドホンがおすすめです。
インピーダンスはヘッドホンが持っている電気抵抗を表す数値であり「Ω(オーム)」で表記します。電気抵抗が大きいほど音量が小さくなり、電気抵抗が小さいほど音量が大きくなります。
低出力で出されたものを高インピーダンスのヘッドホンで聴くと音量が小さく聞こえにくくなり、高出力で出されたものを低インピーダンスのヘッドホンで聴くと歪みやノイズがでやすくなります。
音楽プレイヤーなどから聴く際には50Ω以下を、ヘッドホンアンプなど高出力の機器から聴く際には高インピーダンスのヘッドホンを選びましょう。
ヘッドホンに入力できる最大電力を指し、「mW(ミリワット)」で表記します。出力する機器による部分が大きいため、そこまで気にする必要はありませんが、高出力の機器を用いる場合は必ず見ておきましょう。
THDは「トータル・ハーモニック・ディストーション」の略であり、大音量で聴いた際にTHDが低いほどクリアに聴こえ、THDが高いほど歪みやすくなります。ドラマーはどうしても音量を上げることが多いため、THDレベルが0.1%以下のヘッドホンがおすすめです。
ヘッドホンから出力される音圧レベルを指します。1mW(ミリワット)あたりの音圧(SPL、サウンドプレッシャーレベル)で測定され、一般的な音圧は80~125dB SPLの間に位置します。出力音圧レベルとして「dm/mW」と表記されている場合もあり、数値が大きくなるほどボリュームが大きくなります。
基本的にはそこまで気にしなくても良い部分ですが、あまりにも低い場合は音量が出にくいため、ヘッドホンアンプなどが必要になります。
ストレスなく快適に長時間使用したい場合には装着感も非常に重要です。ヘッドバンド、イヤーパッドの素材やヘッドホン自体の重量によって変わりますので、スペックを確認する際には押さえておきましょう。
特に耳に直接当たる部分であるイヤーパッドの素材選びは重要であり、例えばスポンジやビニール製のものは剥がれやすい傾向にあり、皮は丈夫で耐久性が高いですが、蒸れやすいという特徴も持っています。
マイクロファイバーやウレタン、アルカンターラなどを使用しているイヤーパッドは快適感が高くおすすめですが、イヤーパッドのみでの販売やヘッドホンカバーを装着するなどの工夫もできますので、用途や音質優先で選んだ方が良いでしょう。
初心者から上級者まで誰にでもおすすめできるヘッドホン、イヤホン、イヤーモニターを紹介していきます。
「SHURE」のフラッグシップイヤーモニター「SE846」は4機のマイクロドライバーを搭載し、レンジの広い周波数特性によってバランスドアーマチュアにありがちな低音不足を補ったクリアで解像度の高い音質が特徴です。多くのプロドラマーも使用しており、ライブやレコーディングでのモニタリングから電子ドラムでの練習など幅広くおすすめできるイヤーモニターです。
SHURE / SE846を…
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世界で最も使用されているドラマー向けヘッドホンの1つである「Beyerdynamic / DT 770 PRO」は使用環境に応じて3つのインピーダンスを選ぶ事ができます。広い周波数帯によってシンバルからバスドラムまでバランス良くモニタリングできるため、特にレコーディングにおすすめなヘッドホンです。スマホやPCから聴くのであれば32Ω、より高出力な機材を使用するのであれば80Ω、プロユースな環境であれば250Ωがおすすめです。
Beyerdynamic / DT 770 PROを…
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「VIC-VXHP0012」はアメリカのドラムスティックメーカー「Vic Firth」が開発したBluetooth内蔵のドラム用ヘッドホンです。20dBのノイズキャンセリングを搭載し、フォームクッションのイヤーパッドにより長時間でも快適な演奏が可能になっています。優先接続も可能であり、練習時にはワイヤレスで、レコーディングの際は有線での接続がおすすめ。ドラマーへのプレゼントにも最適です。
VIC FIRTH / VIC-VXHP0012を…
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電子ドラムメーカー「Roland」がアメリカのヘッドホンメーカー「V-MODA」と共同開発したのが「VMH-D1」です。50mmデュアルダイヤフラムドライバーによって各楽器がバランス良くモニタリングでき、低反発イヤーパッドやケーブルの取り回しやすさ、ヘッドホンフックが付属、と電子ドラムで使用するには最も最適と言える仕様になっています。
Roland / VMH-D1を…
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最もコストパフォーマンスが高いヘッドホンとして「AKG / K240 STUDIO」を挙げるドラマーは少なくありません。低価格ながらもセミオープンで広い周波数特性を持っているため、ドラムの練習やDAWの編集など様々な場面で活躍する事ができるヘッドホンです。インピーダンスはやや高めになっているため、音量が欲しい方はヘッドホンアンプを使用することをおすすめします。
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「SONY / MDR-7506」は業界水準と言われており、プロの現場で最も多く使用されているヘッドホンの1つのため、基準となる音質を身につけるためにもおすすめです。国内で購入はできませんが、29dBのノイズキャンセリングが施されたハウジングをMDR-7506にマウントした「GK-Music / UltraPhones」はよりドラマー向けのヘッドホンとなっています。
SONY / MDR-7506を…
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ドラマー向けのオープン・ヘッドホンは「SENNHEISER / HD599」がおすすめです。空間の音を取り入れたナチュラルなサウンドによってスピーカーで聴いているかのような感覚で演奏や編集する事ができます。イヤーパッドも厚く担いつけ心地のため、長時間の使用に最適です。通常カラーはアイボリーですが、amazon限定モデルとしてブラックも発売されています。
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「SHURE / SE215」は低価格ながらコストパフォーマンスの高いイヤーモニターです。カナル型ですが、独自のダイナミックドライブユニットを採用しているため迫力のある低音が特徴。ライブやレコーディングなどではやや物足りない可能性はありますが、練習や普段使いのリスニングには最適なため、1個はもっておくと便利です。
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どうしても予算を抑えたいという方向には「KOSS / SPORTA PRO」がおすすめです。オーバヘッドとしてもネックバンドとしても使用できるため、練習やリスニングには向いていますが、オープンタイプのため外出先などでは音量に注意が必要です。インピーダンスも60Ωあるためヘッドホンアンプもあわせておすすめします。
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電子ピアノ向けに開発された「audio-technica / ATH-EP1000IR」は電子ドラムにもおすすめできるワイヤレスタイプのヘッドホンです。専用のトランスミッターを楽器に接続し、独自のハイブリッド赤外線システムにより信号を受信するため0.001秒以下の超低遅延を実現しています。ストレスフリーで電子ドラムを練習するにはこのヘッドホンがおすすめです。
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ドラマーにとってヘッドホンはかなり重要なアイテムですが、全ての用途を1台でまかなえるものはありませんので、優先度に応じて選ぶことをおすすめします。組み合わせを考えておくのも良いでしょう。
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